2025年には、第二次世界大戦後の第一次ベビーブームに生まれたいわゆる団塊の世代が75歳を迎え、日本が超高齢化社会に突入することが間違いないとされています。2025年問題とは、高齢者が増えることと、少子化による労働人口の減少が合わさって医療や介護、社会保障にさまざまなひずみが起きることが予想されていることを指します。
高齢者が増えると疾病を抱える人が増えてくるのは避けることができず、医療現場はさらなる充実が求められることになりますが、増え続ける高齢者に対して、医師や看護師、介護士が同様に増えることを期待するのは難しいと考えられています。また、そのような人手不足は、病院や療養施設、介護施設などを増やすことにも支障をきたし、高齢者が今までと同じようなサービスを受けることが難しくなる可能性が指摘されています。そのため、これから期待されているのが地域包括ケアシステムです。地域包括ケアシステムは、自宅など住み慣れた場所で暮らしながら、診療や治療、看護、介護などが受けられるように仕組みです。すでに一部の地域では、自治体や医療者、地域住人などが協力して、在宅で高齢者を支援する取り組みが行われています。
看護業界としては、新人の積極的な育成とともに、退職した看護師の復職支援、また、看護師の定着率を高めるために働きやすい環境を整備するなどの対策を通して、必要な人数の確保を目指しています。また、さまざまなキャリアを提案し、専門看護師や認定看護師を目指す人の支援などを充実させていきます。